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口頭

ANNRIにおける核種分析の現状

藤 暢輔; 海老原 充*; Huang, M.; 木村 敦; 中村 詔司; 原田 秀郎

no journal, , 

中性子核反応測定装置(ANNRI)はJ-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)のBL04に設置されており、主に核データ測定、核種分析、天体核物理研究のために用いられている。ANNRIの中流部分にはクラスターGe検出器2台とコアキシャルGe検出器8台から構成される装置が備えられており、放射化分析の一つである即発$$gamma$$線分析(Prompt Gamma-ray Analysis: PGA)を行うことができる。PGAは、非破壊・多元素同時・バルク分析などの特徴を持つため貴重な試料や破壊が困難な試料の分析に有効である。ANNRIではパルス中性子を用いることができるため、中性子捕獲反応における共鳴を使った分析(中性子共鳴捕獲分析法)を行うことができる。これまで、PGAと中性子共鳴捕獲分析は同時に行われることは無かった。ANNRIでは大強度パルス中性子を使用することにより、PGAと中性子共鳴捕獲分析を同時に行うこと(TOF-PGA)が可能となった。これによってPGAと中性子共鳴捕獲分析の2つの結果が得られるだけでなく、2つの分析手法の融合による相乗効果が得られる。つまり、PGAでも中性子共鳴捕獲分析でも測定が困難であるものでも分析できるようになった。本発表では、ハードウェアとソフトウェア開発の現状と新しい手法で得られる相乗効果の実証実験の結果などについて報告する。

口頭

中性子非干渉性散乱と分子シミュレーションによる生体分子のダイナミクスと水和構造の研究

中川 洋

no journal, , 

中性子実験手法が持つ弱点を、分子シミュレーションによる解釈による補足や、試料調製の工夫により克服することで、生命科学研究における中性子非弾性散乱の利用法を提示してきた。中性子非弾性散乱の実験データの解析に対して分子シミュレーションを援用することで、原子分解能で構造ダイナミクスの解析を行うという、実験と計算を相補的・相乗的に融合させた解析は、単に実験手法の持つ弱みを補うというだけでなく、実験データに潜在的に含まれている情報を引き出すという点においても、中性子利用の優れた研究であると言える。生体分子の水和やダイナミクスの研究は、中性子でなければ分からない未解決問題が多く、中性子の利点を最大限に活かすことで研究を行ってきた。そして、中性子非弾性散乱と分子シミュレーションを組み合わせた研究によって、生体分子の機能を支える構造揺らぎが、水和水との相互作用で発現する仕組みを解明した。

口頭

J-PARC超高圧中性子回折装置PLANETを用いたSiO$$_{2}$$ガラス研究

服部 高典; Yagafarov, O.*; 片山 芳則; 千葉 文野*; 佐野 亜沙美; 稲村 泰弘; 大友 季哉*; 松崎 祐樹*; 下條 冬樹*

no journal, , 

PLANETはJ-PARC MLFに建設された高圧専用の中性子粉末回折装置である。その最大の特徴は、6軸型のキュービック・アンビルプレス「圧姫」を用いて高温高圧下(10GPa, 2000K)での構造解析をできる点にある。2013年度より運用をはじめ、現在一般ユーザーに開放されている。PLANETは、結晶のみならず液体の高圧下での構造変化を調べられるように、高圧セル等の試料周りの散乱を取り除く工夫がなされている。2013年度までに、SiO$$_{2}$$ガラスの約10GPaまでの良質なデータの取得に成功した。今回それらのデータをKENSのHIT及びJ-PARC BL21で開発されたS(Q)導出プログラム(nvaSq.py及びhitsq.py)を用いて解析を行った。高圧データへの適用の前に、高圧セルのS(Q)への影響を調べるために、高圧セル内にいれた常圧下の試料を解析し、既存のS(Q)と一致することを確認した。その後、高圧下で測定されたデータへの適用を行い、約10GPaまでのS(Q)を得た。その結果、約10GPaまでは、(1)中距離構造を変化させることにより高密度化する、(2)この際配位数の上昇は伴わないことが確認された。このことは、非結晶物質の構造を高精度に調べるツールができたことを示す。当日は、高温高圧下での構造変化に関して議論する予定である。

口頭

酸化物および雲母表面に吸着した極微量Csの結合状態

馬場 祐治; 下山 巖; 平尾 法恵; 和泉 寿範

no journal, , 

粘土鉱物の主要成分である二酸化ケイ素、アルミナおよびマイカ(人造雲母)表面に極微量のセシウムを吸着させ、その結合状態を放射光を用いた全反射X線光電子分光法(TR-XPS)で解析した。比較のため他のアルカリ金属に関しても実験を行った。入射するX線の角度を表面すれすれにして全反射条件にすると、XPSにおけるCs 3d領域のバックグラウンドは、通常のXPSの1/10以下に低下し、200ピコグラムまでの極微量のセシウムの結合状態解析が可能となった。基板を塩化セシウムの溶液に浸してセシウムを吸着させた試料を水で洗浄すると、洗浄に伴い、Cs 3dの結合エネルギーは高エネルギー側にシフトした。さらに試料を超音波洗浄した後でも、わずかにピークが認められ、その結合エネルギーは洗浄前に比べ0.8eV高結合エネルギー側にシフトした。このことから洗浄後に残った"取れにくい"極微量のCsは、通常の吸着状態より、Csと基板間の分極が小さく、共有結合に近い結合状態をとることが明らかとなった。

口頭

気体廃棄物処理設備が水銀ターゲット容器交換で果たす役割

甲斐 哲也; 内田 敏嗣; 木下 秀孝; 関 正和; 植野 英樹; 羽賀 勝洋; 粉川 広行; 涌井 隆; 直江 崇; 高田 弘

no journal, , 

J-PARC核破砕中性子源施設では、2014年夏に水銀ターゲット容器からの照射後試験(PIE)試料片切出し、及び容器交換作業を行った。容器内に生成・蓄積したトリチウムは、作業前にヘリウムを注入しこれを気体廃棄物処理設備に引き込むフラッシングを行っても十分に回収できず、容器が大気開放された時に設計目標の放出管理値に近い量が排気される懸念があった。対策として、大気開放時には気体廃棄物処理設備でガス引込運転を行い、水銀循環系の内部へ向かう気流を形成し、外部への放射性ガスの放出を抑制した。この結果、PIE試験片切出作業における放射性ガス放出量を、2011年に行った気流制御を伴わない同作業と比較して、1/6程度に留めることができた。今回の累積ビーム照射量を考慮すると、気流制御による実質的な抑制効果は1/30程度と評価できる。また、ターゲット容器交換作業(2011年にも気流制御を実施)では、使用済ターゲット容器配管に閉止栓をすることや、合理的な気流制御を行った結果、放出量は累積ビーム照射量の比から推定した量の7割程度となった。この一連の作業により、放射性ガスの放出量を、施設計画時の設計目標値を下回るように制御する手法の見通しを得た。

口頭

BL10で実施した最近の特性試験

及川 健一; 原田 正英; 明午 伸一郎

no journal, , 

平成26年度BL10で実施された特性試験のうち、デカップルドモデレータの表面輝度分布の測定及びその詳細解析を中心に報告を行う。また、平成27年1月13日に実施した大強度試験の結果についても、速報として紹介する。

口頭

疲労試験その場中性子回折ストロボスコピック測定

伊藤 崇芳*; Harjo, S.; 稲村 泰弘; 川崎 卓郎; 中谷 健; 秋田 貢一; Gong, W.; 相澤 一也

no journal, , 

J-PARC/MLFの工学材料回折装置TAKUMIにおいて、パルス中性子の発生、検出のタイミングと同期して、外場の環境データ(荷重や機械的ひずみなど)を記録するイベントレコーディングシステム、そして、データ処理ソフトウエアを開発した。このシステムは、特に時分割実験におけるデータの取得および処理に威力を発揮する。ここでは本システムの有用性を示すために、本システムを利用した疲労試験中のその場中性子回折測定例を紹介する。

口頭

La, Mn置換したSrTiO$$_3$$におけるフォノン異常と熱電特性

梶本 亮一; 中村 充孝; 畑 博人*; 江藤 貴弘*; 奥田 哲治*

no journal, , 

最近、ペロブスカイトTi酸化物SrTiO$$_3$$のSrをLaに、TiをMnにそれぞれ微量に置換すると熱伝導度が大きく抑えられることが見いだされた。興味深いことにこの熱伝導度の異常はLaとMnの双方を置換したときに初めて生じる。そのミクロスコピックな起源を調べるため、SrTiO$$_3$$およびそれにLa, Mn, LaとMnの両方をドープした試料の4種の粉末試料に対して、中性子非弾性散乱実験によりフォノンの測定を行った。実験はJ-PARC・MLFのBL01ビームラインに設置されているチョッパー型非弾性中性子散乱装置「四季」を用いて行った。その結果、15meVに見られる光学フォノンによるピークより低エネルギー側のフォノン強度に顕著に試料依存性が見られ、特に熱伝導度が最も低いSr$$_{0.95}$$La$$_{0.05}$$Ti$$_{0.98}$$Mn$$_{0.02}$$O$$_{3}$$試料で大きな強度の増大が見られた。これは$$Q$$=(1,1,1)近傍の音響フォノンに異常が生じている可能性がある。発表では高エネルギーのフォノンのデータと共に、これらのフォノンの異常が熱伝導度にどのように影響するか考察する。

口頭

放射光軟X線を用いた粘土鉱物中におけるセシウムイオンの局所電子構造

本田 充紀; 下山 巖; 馬場 祐治; 岡本 芳浩; 鈴木 伸一; 矢板 毅

no journal, , 

固体表面における分子の吸着構造に関する研究は、太陽電池や触媒反応、Cs減容化を目指した吸着材開発などの分野で興味を持たれている。しかし現実は測定系の問題から、実デバイスと異なる理想的な疑似表面で評価されることが多い。しかしながら、実デバイス・実環境下観測を目指すには、液体や油質状態の試料についてのX線吸収端微細構造(NEXAFS)測定は、軟X線領域においては容易ではない。今回、2011年3月11日の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故を受け社会的環境問題として広く研究されているCs (Cs LIII-edge (5.01keV))について、粘土鉱物中(バーミキュライト・カオリナイト)におけるCsイオンのNEXAFS測定による電子構造解析について、粘土鉱物依存性や溶液依存性について報告する。試料はTi K-edge (4.96keV)とCs L-edge (5.01keV)の両方含まれるが、MCA測定の結果TiとCs元素を完全に分離することに成功した。CsのみにROIを設定することで、CsのみのNEXAFS測定に成功した。この結果、今回開発したオペランド条件蛍光XAFSシステムは、軟X線付近に吸収端をもつ元素の実環境試料や溶液存在試料についての電子構造を強く反映した測定が可能であることが示せた。

口頭

cERLにおけるレーザー・コンプトン散乱ビーム生成実験

羽島 良一

no journal, , 

平成23年度から4年間、文部科学省の核セキュリティ強化等推進事業費補助金にて、cERLにてLCS光源の実証実験が行われることとなり、これに必要な周回軌道、レーザー装置、ビームライン、実験用ハッチの整備を行った。平成27年1月末からのcERL運転では、電流増強(平均電流10$$mu$$Aから100$$mu$$A)の施設検査に臨み、その後、LCSビームの生成と光源性能の評価に進む予定である。実験では、cERLの電子エネルギーの条件からLCSビームのエネルギーは7keVにとどまるが、ここで開発された技術は、そのまま硬X線さらにMeV $$gamma$$線まで適用できるものである。講演では、cERLにおけるLCSビーム生成実験の最新状況を報告する。

口頭

放射光X線マイクロビームを利用した細胞部分照射によるミトコンドリアへの影響

嘉成 由紀子; 神長 輝一; 坂本 由佳; 成田 あゆみ; 野口 実穂; 宇佐美 徳子*; 小林 克己*; 鈴木 啓司*; 横谷 明徳; 藤井 健太郎

no journal, , 

ミトコンドリアは独自のDNAを持ち、生体内エネルギー分子であるATPの生産を担うため、細胞に欠かせない重要な器官である。我々は、細胞の部分照射によるミトコンドリアへの放射線影響を明らかにすることを目的とした。細胞中の特定部位に対する部分照射を行うため、放射光X線マイクロビームを利用した。ヒト線維芽細胞(BJ1 hTERT Fucci)に対し、細胞核照射、細胞質照射及び細胞全体照射の3パターンで照射をし、ミトコンドリアを経時観察した。ミトコンドリアは膜電位に依存して蛍光発色が緑と赤を示すJC-1試薬を用いた。その結果、赤色蛍光で確認される高膜電位のミトコンドリアの面積は、どの照射パターンでも照射直後に大きな値を示し、その後は減少した。細胞核照射では6時間後、細胞質照射では12時間後、細胞全体照射では2時間後まで減少し、その後は増加を示した。細胞質照射後24時間での面積は他の2つの照射パターンと比較し、優位な増加が見られた。以上の結果から、照射部位に依存してミトコンドリアの膜電位の影響が異なる可能性が定性的に示唆された。

口頭

1MWへ向けた水銀ターゲットシステムの取り組み

羽賀 勝洋; 直江 崇; 涌井 隆; 粉川 広行; 二川 正敏; 甲斐 哲也; 木下 秀孝; 高田 弘

no journal, , 

J-PARCの水銀ターゲット容器では、大強度のパルス陽子ビーム入射に伴い水銀中で発生する圧力波で誘起される容器壁面のキャビテーション損傷が容器寿命を左右する重要な要因となる。200kW以下のビーム強度で470MWh照射した水銀ターゲット容器初号機のビーム窓部には、最大0.25mmの深さの損傷が確認され、損傷への対策の重要性が再認識された。次の水銀ターゲット容器では、キャビテーション損傷を低減するために技術開発を進めてきた微小気泡注入システムを実装し、陽子ビーム出力をそれまでの200kWから300kWに上昇させて2050MWhの照射を行った。このターゲット容器のビーム窓部から試験片を切り出し、カメラによる目視確認を行った結果、壁面に顕著な損傷は確認されず、微小気泡の注入が損傷の低減に有効であることを実証した。現在稼働している水銀ターゲット容器は、気泡注入システムに加え、ビーム窓部の内側に壁を設置し、流路幅2mmの狭隘な流路を形成する二重壁構造とした。狭隘流路内の平均流速は3.7m/sと速くなるため、壁面近傍で生ずる水銀流れの急峻な速度勾配により、キャビテーション気泡の成長と崩壊を変形させ、その衝撃力を低減するものであり、今後、400kWから600kWまで段階的に強度を上げた運転を行い、その効果を確認する予定である。

口頭

スフェロイドに対するX線マイクロビームを用いたバイスタンダー効果の研究

坂本 由佳; 嘉成 由紀子; 神長 輝一; 成田 あゆみ; 野口 実穂; 宇佐美 徳子*; 小林 克己*; 藤井 健太郎; 横谷 明徳

no journal, , 

バイスタンダー効果によるスフェロイド中の非照射部を含めた動態を明らかにすることを目的とし、HeLa-Fucci細胞で作製したスフェロイドに対するX線マイクロビーム照射と、その後の経時観察を行うための新しい実験系を構築した。照射サンプルであるスフェロイドは、照射用ディッシュに移し、アガロースゲルを含んだ培地で周囲を満たして、動かないよう固定した。マイクロビーム照射には、KEK-PF、BL-27B(生物ステーション)の装置を利用した。ビームサイズは40$$times$$40$$mu$$mに設定し、直径150$$mu$$mあるスフェロイドの一部分だけを選択的に狙って照射した。照射後は共焦点レーザー顕微鏡を用いて、細胞周期の変化をライブセル観察した。その結果、マイクロビーム照射部の細胞にのみG2アレストがかかり、細胞周期停止や遅延が起こることが確認された。また、マイクロビームを照射していないスフェロイド、マイクロビームを照射したスフェロイドの非照射部のどちらにも、細胞周期の変化は明確には確認されなかったことから、スフェロイドにおけるバイスタンダー効果は小さいと考えられる。

口頭

バイスタンダー効果が細胞周期に与える影響の解明

神長 輝一; 成田 あゆみ; 野口 実穂; 嘉成 由紀子; 坂本 由佳; 宇佐美 徳子*; 横谷 明徳

no journal, , 

本研究では、細胞周期を可視化したFucci細胞を試料とし、これに対してX線マイクロビーム照射後、タイムラプスイメージング法で自動観察する実験系を確立した。この実験系では、照射細胞とその周囲の非照射細胞の周期を、個別に追跡することができる。DNA損傷や細胞分裂に必要なタンパク質の発現・機能異常がある場合には、細胞周期に変調(遅延や停止)が生じることが知られているため、細胞周期を追跡することで、細胞内のDNA損傷や細胞分裂に必要なタンパク質の発現・機能異常を検出することができる。HeLa.S細胞をFucci化した細胞に対するマイクロビーム照射の結果、非照射細胞に顕著な細胞周期の変調は観察されなかった。HeLa.S細胞はギャップジャンクションが正常に機能していないことが知られている。今回の結果は、バイスタンダー効果によるDNA損傷の誘発や細胞分裂に必要なタンパク質の発現・機能異常には、ギャップジャンクションが大きな役割を果たしていることを示唆している。

口頭

イベントデータ記録法を利用した圧電材料の時分割中性子回折測定

川崎 卓郎; 伊藤 崇芳*; 稲村 泰弘; 中谷 健; Harjo, S.; Gong, W.; 岩橋 孝明; 相澤 一也

no journal, , 

J-PARC物質・生命科学実験施設の中性子散乱装置では検出器でとらえた中性子信号一つ一つの位置と時間をイベントデータとして記録する方式が採用されているが、最近、TrigNETと呼ばれる様々なアナログ/デジタル信号を中性子と同様にイベントデータとして記録することができる機器が開発され時分割測定への適用が試みられている。我々はこれらの機器・技術を使用した材料研究の対象として、時間によって変化する電場に対する圧電材料の応答に着目した。PZTに代表される圧電材料は印可された電場によって格子ひずみやドメインの回転を生じ、これらに起因するマクロな寸法変化がアクチュエータやセンサなどへ広く利用されている。我々はMLF-BL19の工学材料回折装置「匠」において、積層型圧電アクチュエータに周期的な電場を印可しつつ中性子回折強度を測定し、同時に電場の情報をイベントデータとして記録した。測定後のデータ処理において電場の条件によって分割して回折パターンとすることで、電場による格子のひずみとドメインの配向性の変化を示すピークシフトと強度変化を観測した。

口頭

2014年度の冷中性子ディスクチョッパー型分光器AMATERAS

中島 健次; 河村 聖子; 菊地 龍弥; 稲村 泰弘; 川北 至信; 梶本 亮一; 中村 充孝; 曽山 和彦; 新井 正敏; 青山 和弘; et al.

no journal, , 

J-PARC物質・生命科学実験施設に設置された冷中性子ディスクチョッパー型分光器AMATERASは、パルス整形チョッパーとJ-PARCの結合型減速材の高ピーク強度の組み合わせにより、大強度、高分解能を両立する非弾性・準弾性散乱装置である。2014年年度においては、AMATERASは、2014年末までに2件の元素戦略課題、2件のプロジェクト課題、8件の一般課題(2014A、及び、2014Bの一部)を実施し、4月までにさらに7件の一般課題を実施する予定である。また、第2回MLF Schoolでは3名の学生を受け入れイオン液体の準弾性散乱を測定した。一方、装置整備としては、2014年に実施したガイド管高度化の評価、新しい冷凍機の整備、モニターの試験、バックグラウンド低減の作業、遮蔽増強等を実施している。最近の成果例と合わせて、これらAMATERASの最近の状況を報告する。

口頭

中性子散乱データ解析ソフトウェア「空蝉」の現状

稲村 泰弘; 伊藤 崇芳*; 鈴木 次郎*; 中谷 健; 大友 季哉*

no journal, , 

J-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)にて使用されている非弾性散乱装置では、中性子非弾性散乱データ処理ソフトウェアとして「空蝉」を開発してきた。MLFでのデータ処理においては、データ収集方法として標準的に採用されているイベント記録型データを処理する機能が最も基礎的かつ重要であり、「空蝉」はMLFで初めてこの機能を実用化した。また、その柔軟なデータ処理を活かし、非弾性散乱Multi-Ei手法や4次元ダイナミクス測定等の先端的測定手法を実現してきた。一方で、このイベント記録型データ処理機能自体は非弾性散乱装置のみならず同じデータ収集方式を取るすべてのビームラインで使用できる機能であり、多くのビームラインで「空蝉」やその内部機能が採用されつつある。特に最近、試料環境機器等から出力される汎用デジタル・アナログ信号をイベント記録できるデータ収集機器(TrigNET)のデータを利用し、任意の試料環境状態の散乱データだけを抽出できるイベントフィルタリング機能を実装し、多様な測定を可能とした。これらの状況をふまえ、「空蝉」の機能、開発現状と抱える課題、今後の展開等を報告する。

口頭

全反射高速陽電子回折を用いた最表面構造決定

深谷 有喜; 前川 雅樹; 河裾 厚男; 望月 出海*; 和田 健*; 兵頭 俊夫*

no journal, , 

陽電子は、電子の反粒子であり、電子とは逆のプラスの電荷を持つ。このため、陽電子が結晶表面に入射する際、結晶ポテンシャルは障壁として働き、ある臨界角以下で全反射が起こる。全反射条件下では、陽電子の結晶表面への進入深さは2${AA}$以下であるため、そこから得られる回折パターンはほぼ最表面のみの情報を含む。さらに、全反射の臨界角をわずかに超えた視射角に設定すると、バルクの情報を含むことなく、最表面直下の情報も感度良く得ることができる。これらのことにより、全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法は最表面およびその直下の原子配列の決定に極めて有用な手法である。平成27年度は、金属表面上のグラフェンの構造決定とTRHEPDパターンを用いた最表面直接決定法の開発を推進した。前者においては、Cu(111)およびCo(0001)表面上のグラフェンの吸着高さを決定し、貴金属と遷移金属基板上でグラフェンの高さに明確な違いを見出した。後者においては、全反射条件下におけるTRHEPDパターンを取得し、最表面原子配列の直接決定法の開発に向けた予備的な解析を行った。

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